靴磨きトラベラーがやってきた

降ったり止んだりの秋雨に
なんとなく体も心も重く感じる、そんな秋の日の午後。

ブンテンに、ひとりの若者が訪れました

黒いTshirtに真っ黒いパンツ。
履いている革靴ももちろん真っ黒で
ひとつにまとめた長髪も黒い。
ついでに、よく日焼けした顔も真っ黒!

全身黒づくめのなんとも印象的なこの若者の姿を
ひと目見るなり、ピンときました


『あれ!? 靴磨きの!? 海士にいた??』
~声のかけ方が、雑(;^_^A~



・・・・・

彼は、佐原総将くん。
「世界を足元から輝かせる」を掲げ
路上で靴を磨きながら旅する『靴磨きトラベラー』です


これまで訪れた国は38カ国。
世界1周達成まであと大陸2つを残した段階で一時帰国し
現在は、高校時代の愛車『オールジャクソン号』(無変速・ママチャリ)にて
離島を中心に日本1周靴磨きの旅の途中なのだそう!

靴磨きしながら、世界1周!?
今はママチャリで日本1周!?

そんなシンプルな驚きから始まった「靴磨きトラベラー」物語。
聞くうちに次第次第に引き込まれ
旅のまとめ動画(ショート)を見せてもらう頃には
すっかり前のめりに…
~仕事放棄とも言う~


数分にまとめられた動画の中には
世界各国で彼が出会った様々な「笑顔」が輝くようにありました

人種も性別も年齢も様々
立場も職業も暮らしている環境も
まったく異なる人々ですが
その笑顔の理由はみんなおんなじ。

彼と出会ったということ。
彼に靴を磨いてもらったということ。


彼が何を目指しているだとか
どこに向かっているだとか
この時点でそんなことはまだよく分からなかったけれど
とにかくとんでもない人たらし(いい意味でね)なんだなという
確信めいたものも胸に



いやはや
動画の中の笑顔に引き込まれるよう
見ている私までもが穏やかで温かい気持ちになっていきました

そして
見終わった瞬間、溜息とともに思わず拍手…
ああ出会えてよかった、と、心から思った一瞬でした

総将くんの愛車『オールジャクソン号』

自転車旅というからには
走るタイプのちゃりを勝手にイメージしていたけれど
無骨にして無変則!
完璧なママチャリだったことに驚愕。



いただいた感動のそのお礼にするには全然足りないけれど
当店のTshirtとステッカーをプレゼント‼

Oki Islands Tshirtを着た総将くん
オールジャクソン号とともに…


そして
お返しのお返しに
なんと私の靴を磨いて頂くことに!
~エビで鯛を釣っちゃった感~

私の愛用のnaotを間において
膝つきあわせ
いろんな話をしながら靴磨きしてもらうこと
ざっと15分ほどだったでしょうか…

靴をはさんで向かい合ったそのふたりの「間(ま)」…
それは思いのほか心地よい空「間」であり
ゆったりとした時「間」でした


初対面の相手と、手の届く距離で10分近く向かい合う…
日常の暮らしの中では
ありえないシチュエイションですよね
でも
「磨かれゆく靴」を間において
それを眺めつついろいろと語るその時間が
不思議と心のバリアを解いてゆくんです、と、総将くんは言いました

膝と膝つきあわせながらの靴磨きは
国境を超えて世界をつなげ、文化も言葉の壁も超える!

靴磨き、すごい!

ピカピカに磨いてもらって上機嫌な靴と私。
よくよく見れば
靴をおくために敷いた布にも「上機嫌」の文字

このあと
旅のお話会の中で使うためにまとめた動画を
彼はもう1本見せてくれました

これがもう…
1本目の動画に増してムネアツだったのです



混沌とした世界情勢の中で暮らす兵士。
劣悪な環境で日々命の火をつなぐようにして暮らす幼い子どもたち。
靴を磨いて暮らしを支える、しわくちゃの手。

流れてゆく動画には
厳しい環境で暮らす人々の
溢れんばかりの笑顔と磨きあげられた靴が次々と。


靴磨きっていうと革靴のイメージだけど
国境の兵士の足元を固める軍靴だって磨くし
ぼろぼろになったスニーカーに
未舗装の大地から足を守るかのようなクロックスだって
サンダルの皮ひもだって
依頼があればどんな靴だって磨くという彼。


どんな厳しい環境におかれていても
膝と膝をつきあわせ
靴を磨いてもらうあの時間
人は、明るい夢を語り笑顔をみせるのだ、と。


世界を歩き、人と繋がり、靴を磨き
そんな体験を通しての「実感」こそが
彼のことばの深みであり、強さなんでしょう

動画に重ねて彼の「ことば」を聞きながら…
正直、何度も何度も、ぐっときました

彼がみてきたもの感じたことを
島後の子どもたちにも聞かせてやりたいなあ、と、心から。

出会いの記念に、イチマイ。
靴磨きトラベラー後援会島後支部発足の瞬間


\\いつか島後で靴磨きトラベラーのお話会!//

こんなお仕事をしていると
時折、強烈なインパクトをもって
胸に刻まれるご縁を頂くことがあります

この日はまさに、そんな日でした…

隠岐に来てくれたこと
そして
ブンテンと出会ってくれたことに
心から感謝します

またきっと会いましょう!



・・・・・

というわけで
私の言葉をどれだけ連ねるよりも
彼の「ことば」に直に触れる方が、伝える力は、ずっとずっと、強い。

『靴磨きトラベラー』こと佐原総将くんのFacebookページ
是非ご覧ください

▼▼▼⁡

「いつか一つになれると信じている」

靴磨き世界一周アフリカ編28日目

まさか、20代最後の日をレソト王国で迎えるとわ。

2024年5月18日、私30歳になりました。
30年前に3600g? と、なかなか骨太な私を生んで
逞しく育てていただいたお母さんには頭が上がりません。

ありがとう!

おかげでガンジス川に入っても体調壊さない
謎の免疫を持った逞しい体で旅をすることができています。

#もしかして物心着く前落ちた奴とか食べさせてた?
#なんでこんなに体強いの?

誕生日に限らず、いつも応援していただいてる方々から
毎日がバースデープレゼントのような物や事をいただいています。

「30歳の自分の誕生日くらいは何か自分ができる事であげられるものはないか」
と考えた時に、この3年間の旅の物語を動画にしてシェアしようと思いました。

今自分のあげられるアイテムの中で
1番大きなものが”物語”だと思っています。

日々私と違う人種、宗教、文化を持った方々にお会いし、
時に家に泊めてもらったり、
同じ釜の飯を食べたりするけど
結局人間って同じふうに生きてるんだなぁって感じるんです。


だいたい朝、昼、晩の3回ご飯を食べるし、
せっかく食べたものを消化して出すし、
夜になれば眠りにつくし、
恋もするし、子どもも作るし、家族を愛すし、
困ってる人がいたら助けるし、
大切な人を傷つけられたら怒るし、
肌の色が違うくても、信じてる宗教が違うくても、
人間としての活動は同じことをしている。

宇宙人から見たら
「なんでアイツら同じチーム同士で対立し合ってるんだろう?」
って、思われてるかもしれない。

きっといつか争いがなく
この世界も一つになる時がくるんじゃないかと思っています。


少なくとも、靴磨きをしながら膝と膝を突き合わせてる時間は
平和で居心地の良い時間で、一つになってるなぁと思うんです。


「靴磨きは国境を越える」

そして、靴磨きは国境を超えて、宗教も超えて、
目の前の人と居心地の良い時間を共有できる。
と最近思うのです。


まだうまく言語化できてないんですけど、
ぼんやりとそんな想いも込めてこの物語〔動画〕を作りました。

少しスクロールする手を止めて見ていただけたら幸いです。


▼▼▼
靴磨きトラベラー
佐原総将くんFacebookページ
動画は、一番最初にピン止めされています

是非ご覧ください


⁡おまけフォト


ブンテンにとって忘れられない旅人との出会いは数多ありますが
彼らとの出会いも、まちがいなくそのひとつ…

コロナ禍の真っただ中
自転車で日本縦断の旅でやってきた2人組
やすくんと、しんごくんです

日本縦断旅
コロナ禍のまっただ中だった当時
人との距離感を常に気にしていたそんな風潮があったからこそ
あっけらかんと私たちの懐に飛び込んできた彼らとの出会いは
なんとも印象深くて心地よいものでした

blog『日本縦断旅の若者のこと


今はそれぞれ旅からは卒業。
2人それぞれがそれぞれに
やりたいことを見つけてがんばっているようです

そうそう
先日は長野からぴっかぴかのトウモロコシが
どっさりと届きましたよ

SNSの中で活躍する様子をみて嬉しくなったり
箱一杯のトウモロコシに
当時のことを思い起こしてほっこりしたり

いい出会いだったな、と、その度に思います



そして…
ママチャリで日本1周旅といえば
思い浮かぶのはやっぱりダイちゃんのこと…

ママチャリで全県走破の日本1周の旅
そのさなか、なんと隠岐にも立ち寄ってくれたダイちゃん

わが家にとって
初・日本1周トラベラーとの出会いが彼なのです

しばらく隠岐に滞在したのち
再びの旅に向かうダイちゃんの大送別キャンプ

楽しいキャンプでありながら
がんばれの思いと別れの寂しさも時に交錯し…
忘れられない一夜となりました

それにしても…みんな若い‼


まだSNSもない時代。
埼玉の家族に旅の様子を知らせたい…という
ダイちゃんの依頼から
blogで『ダイちゃんの旅』シリーズを発信したことも
懐かしい思い出です

隠岐を離れたダイちゃんから
不定期に届く旅の写真をブログにしたためつつ
なんだか旅の伴走をしているような気持ちでしたよ

ダイちゃんゴールの日
電話でゴール報告を聴きながら
おめでとうの宴♪

思えば
ダイちゃんブログのおかげで
いろんな方と繋がりました


「ダイちゃんに出会った!」と連絡をくださる方がいたり…
宮崎の自転車屋さんからは
ダイちゃんの自転車を修理した、とメールをもらったり…
ダイちゃんと出会ったご縁がきっかけで
愛媛から遊びにきてくださったり…


彼もまた、魅力たっぷりの若者でした

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