最近頻繁に海を渡って「本土」に出向いております
泊まることもあれば日帰り旅もあり…
なかなか慌ただしい3月の終わりを過ごしております
そして…
きっと…
まちがいなく…
さらに慌ただしい4月の始まりを迎えるのでしょう
人ごとのように言っては見たけれど
自分のことです
まちがいなく
涙
・・・・・・・・・
朝一番の高速船の西郷港出航はきっかり8時54分
高速船はやっぱり速い
甲高いジェット音を効果音に
西郷港を後にして…
隠岐の島誕生秘話が見え隠れする岬の爆裂火口と灯台を過ぎ…
一足お先に出航したフェリーをするっと追い越し…
あとは一目散に本土まで
凪の日の高速船は
すべるように、飛ぶように、海の上を進みます
ああ今日のこの海はどうだいったい…
そんなことを思いながら心地よい振動に身を任せているうちに
つるっと眠ってしまったようで…
さっきまで窓の右端にあった島影が
いつの間にか左前方にありました
一瞬それが「本土の島影」とは気が付かないくらいに
心地よい眠りだったみたい
笑
本土⇔隠岐間、ざっと1時間ほど…
店長さんが幼い頃は
6時間かけて海を渡っていたことを思うと
ずいぶん便利になったものです
ただ
私はどちらかというとフェリー派です
ごろりと寝転がって運ばれる、らくちんさ
甲板で潮風を浴び「移動」していることを実感する、あの感じ
「船旅」っぽくて、好きなのです
くらしの中で乗り物に乗ることは当たり前のことだけれど
「船旅」はなかなかないんじゃない?
その「非日常」が
割と身近なところにある隠岐ぐらしです
・・・・・・・・
朝の海況はあんなに晴れてべた凪だったのに
帰りの海はこんな感じになりました
時々ありますね
一気に風が変わること…
この日はそんな日だったのかも
まあそれでも可もなく不可もなく
ほどほどの揺れで走っていた高速船だったのに
突如不安定なエンジン音 と不穏な揺れ…
あれれれ?あれれ?あれあれあれ???と思ったら
なんと
突然止まってしまいました
めったにはありませんが
運が悪いと時々遭遇するという、あれです
高速船、海上で緊急停止…
私が隠岐にきた年に走り始めた高速船
…当時はジェットではなく「レインボー」でした…
かれこれ27年レインボーさんにはお世話になっているけれど
初の緊急停止です
船員さんがバタバタと操舵室から飛び出して
あれこれ対応してくださったようで
ものの数分でエンジンは再び動き出し事なきを得るの巻
よかったー
(;・∀・)
船底から水を吸い込み、それを噴射することで推進力を得る高速船
どうやらその吸い込み口に何やら吸い込んでしまった模様
推進力を失ったあの形状の船は
ぐらんぐらん揺れてしまいます
私は船酔いしにくいので平気だけれど
弱い人はたちまちのうちにグロッキーかも
早い復活でなによりでした
(;^_^A
・・・・・・・・・
港からの帰り道
ふと目に飛び込んできたのは
あざやかな桃色の木花
今が盛りと咲き誇る木蓮 です
昨日も、一昨日も、ここを通ったのに気が付かなかったなー
桜よりもほんの一足早く咲き
その大きなはなびらをはらりはらりと
あっという間に散らせてしまう木蓮
桜、桜、と、桜ばかりがもてはやされて
主役抜擢はなかなかめぐってこないような気がするけれど
でも
やきもちやくでもなく
へぼるでもなく
今年もあでやかに咲き誇る
そんな西町の木蓮の古木です
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ぽかっと浮かんだ雲も
桃色と橙とに侵略されつつある青空も
船も、家も、国府山も、
夕方の八尾川 の中にありました
幼い頃に読んだ
「よくばりな犬」の話をふと思い出した
春の夕暮れ時
イソップ物語
『犬と肉』
肉をくわえた犬が橋を渡っていると
川の中に、やっぱり大きな肉をくわえた犬がいるのに気が付きました
あいつの肉の方が大きいな
くやしいぞ
よし、あいつを脅かしてお肉をとってやれ
そこで犬は川の中の犬に向かって大きな声で吠えました
わん!
そのとたん
お肉はぽちゃんと川の中へ…
川にはがっかりした犬の顔が映っていました
欲張るとろくなことはない、という、
私のためのような、そんなお話
・・・・・・・
毎年、毎春、
お別れの寂しさでよれよれになるのだけれど
この春は「そうならない」ようにすると決めていた
あくまでも
能面のようになって
みんなをちゃんと見送ると決めていた
でも…
フェリーの中で涙まみれになったYちゃんを見た昨日
コンビニで思いがけず「まだ島にいるはず」の恩師に出会った今朝
雨のお見送りの景色を我が友のSNS上に見つけた今しがた
ここまでがんばってきた つもりの「能面作戦」遂行の件
もはやここまで、と、あきらめました
3月の空は
晴れの日も、雨の日も、切ない