幣之池神社のミツマタ

先週の定休日のブログ
「来年こそはミツマタを見に行きたい」と書きました

ミツマタの花期はとっくに過ぎていると思い込み
来年のお楽しみぐらいに思っていたのです

ところが
お散歩前に立ち寄った喫茶ゆらぎ
ミツマタはまだまだ咲いているという情報をゲット‼

ミツマタ群生地だった幣之池神社周辺
伐採によってミツマタの株もずいぶん減っているみたいだけれど
見せていただいた写真には
なんともいえずかわいらしいミツマタワールドが♪

これはもう行くしかない‼

というわけで
珈琲&サンドを調達したのち
お散歩がてらの花めぐり~ミツマタver.~に出発です♪


水鳥公園


とはいえ
最重要課題はテンテンのお散歩。

水鳥公園のお池のまわりぐるっと1周
ゆるっとまったりお散歩です

前回訪れた時には
まだまだ固い蕾だった桜も
少しずつふっくらとして色づきを見せていましたが
まだまだ満開には程遠い感じでしたね

お花見には、ちと早すぎた感…

どちらかというと、花より団子派の我ら
( ´艸`)
花はなくともゆらぎ特製のおいしいクラブハウスサンドに舌鼓です

・・・

朝ごはんを食べ終わったら
いよいよミツマタ探しに出発しました

幣之池神社の付近一帯に咲いているというミツマタ。
どこをめがけて行けばいいのか
これまでもいろんな人に尋ねたのだけど
「説明しにくい」…と、異口同音に。
(;’∀’)

神社を探せばいいんじゃないの?と思うのだけれど
その神社が林道から少し外れた山の中らしく
そこに向かう小道がまず見つけにくいのだ、と。

むむむ

そんでもって、電波もない…
Google先生もあてにならないとなれば
こうなったらもう…やみくもに走るのみです

ほんとに見つかるのかこれ…とか思いつつ
行きつ戻りつのミツマタ探し…

なかなかに苦戦しましたが
ふいに、その瞬間は訪れました

突如、伐採によって途切れた杉木立。
違和感を感じて谷筋に目をやると
かなたになにやら黄色く色づくものが目に入りました

もしかして???
ここかも⁉

車を停めて降りてみると
杉木立をぬうようにして下に下る小道があり
その先にはポツンと立つ鳥居があったのです

おおおお!
まちがいなくココだね!


宝さがしの地図でお宝を探す時って
こんな気持ちなのかもしれませんね

ワクワクとドキドキが入り混じった妙なテンションのまま
森の中に吸い込まれるような心持ちで鳥居をくぐり
ずんずん小道を下っていくと
杉木立に守られるようにして
小さくも威厳を感じる祠が、ひっそりと…

それが「幣之池神社」でした

幣之池神社
(しでのいけじんじゃ)
挾山涌水に降臨したとされる抓津比売命を祭る祠。
天健金草神社の元宮とされる


小さな祠ですが
木漏れ日が漏れる静寂の森に立つ神社は
なんとも神聖なものを感じます

神社の周りを見渡せば
群生とはいいがたいものの
ミツマタの花も咲いていることがわかりました

そして…
染み出てくる山水なのか
小さな祠の脇からは澄み切った水が湧き出ていました

その湧き水は
湿地とも、池とも、水たまりとも小川ともつかぬまま
たゆたいながら森の中へと向かって続いています

水量が少ないので
小川…とは言い難いその流れは
途中、ちいさな淀みをつくりつつ、下へ、下へと続いていくようでした

嗅ぎ慣れぬにおいにかこまれて大興奮
テンテンも夢中でくん活


湿った土やコケのにおい…
木々の息吹を感じる空気感…
それらをまるっと包含した森の香りは
なんともいえず清々しい気持ちにしてくれますね

「水のゆくえ」を追ってしばし散策です


人工的な音は皆無…
そんな静寂の中、響く小鳥の声と
その声に重なるようにして
コロロロ コロロロ と
軽やかな透明感のある鳴き声が聞こえてきます

アマガエルの声とはちょっと違う…
きっと、シュレーゲルアオガエル?

落ち葉が沈む水は清冽で
水べりにはふっかふかの草が絨毯のように。

姿こそ見つけることはできなかったけれど
オキサンショウウオとかもいそうだし
いやなんなら
そこかしこに「コダマ」だって潜んでそうだし

この木立のすぐ上には林道が走っていることだって
忘れてしまいそうなほどのジブリ感でした


そんな幻想的な森の気配にすっかり魅了され
ミツマタの花を忘れてしまいそうになっていた
我らミツマタ探検隊でしたが…

はたして
ジブリの水場のその先で
「群れ咲くミツマタ」の花と出会うことができました

薄暗い杉木立の中
無数の淡い光を灯すかのよう群れ咲くミツマタ

枝が三つに分かれながら伸びていくから
「みつまた」と言うんだよ、と
教えてくれたのは誰だったんだろう

枝は細くて、葉っぱもないミツマタの木…
少し離れたところからみると
ぽんぽんみたいな淡い黄色い小花が
空中にふわりと浮かびつつ点在して見えるのです

薄闇を群れ飛ぶ蛍…

森の中に群れ咲くミツマタには
そんなイメージも重なって「幻想的」…と、そのひとこと。

なんとも不思議でやさしい光景でした

そうそう
ミツマタの花って優しい香りがするそうですね
あとになってオトモダチから聞いて知りました



この日はただただこの場に立てた感動で胸がいっぱい!
花の香りに心向けることもなく
幽玄の森に咲く幻想的なミツマタワールドに
どっぷりと浸っていました

林道に向かって帰ろうかと歩き始めた時
杉が伐採されて開けた場所に
まだ若い、ちいさなミツマタを見つけました


枝分かれしているのは1か所だけ。
でも、その先にはちゃんとかわいい花をつけています!

まわりを見渡すと
こんな小さな株があちこちにありましたよ

伐採されても根っこは残り
こうしてまた命を紡いでいるのですね

なんてたくましい
( ;∀;)


伐採された杉木立の跡地は
なんだか痛々しくもありましたが
それでもそこには新たな苗木が植えられて
また新たな森となっていくようです

そして
そこに自生するミツマタも
森と湧き水の恵みを受けながら
少しずつ、少しずつ
谷間を彩るようにして咲き広がり
かつての景色を取り戻していくのでしょう


その営みはなんとしても見届けたい…

来年も、再来年も、その先も、
春になるたび、このミツマタに会いに来ようと思います



おまけフォト

切株をみつけて、意気揚々のテンテン。

切株の周りに生えているほそっこい枝状の下草は
刈られたミツマタの株…
この子達の生命力に期待です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です