昨日のお昼過ぎでした
ただならぬ店長さんの声が階下から…
店長さんの手には
火野正平さんの訃報を告げる画面を開いた
スマートフォンが握られていました
ただただ、絶句。
ただただ、悲しい。
腰の骨折からおやすみされていた「こころ旅」
~BSの自転車旅番組~
今季は代役をたてての番組再開。
正平さんの復活を心待ちにしていたところでした
柄本明さん、田中要次さん、田中美佐子さん、照英さん
そして、今はぐっさんこと山口智充さん。
なかなかの顔ぶれが揃ったピンチランナー
みなさんベテランですしね
それぞれがそれぞれに楽しくて見ごたえもあるのです
でも、やっぱりどこか違うのです
唯一無二。
正平さんにしか出せない「味」が
あの番組をつくっていたのだなあと
改めて思います
正平さんのご冥福を心よりお祈りいたします
心に残るシーンはいろいろあるけれど
ハスキーな声と正平さん独特の節回しで
チャゲアスの「エピローグ」を飄々と歌う正平さんの後ろ姿を
今、ふと思い起こしています
多くは語らずとも
お手紙の主の思い出に寄り添う姿勢
渋くてやさしい声で読むお手紙
口元をきゅっと引き締め
いたずらっ子のようにカメラをみつめる視線も
時々ぶちかます冗談も
女性や子供以外には恐ろしくそっけなかったりする対応も
正平さんならでは…
ちいさな生き物達に向けるやさしい視線も大好きでした
そんな正平さんが誰かの心の風景を巡る、「こころ旅」
あのイケボで淡々と読まれるお手紙に
見知らぬ誰かの人生や思い出が髣髴とし
そしてまた
我が人生のあれこれが重なる瞬間があるのです
時に感動し、時にずっこけ、時にしんみりし、時に笑い…
画面越し、私たち視聴者は正平さんに伴走させてもらっていたのかもしれない
素敵な番組をつくってくださっていたことに
心より感謝いたします