松直しって、ご存じですか?
隠岐にお住まいの方は
もちろんご存じかと思いますが
そうでなければ耳馴染みのないコトバ、でしょうか
~松直し~
1月2日に行われる隠岐の漁師さんたちの新春行事
各船団・地区ごとに、その年の豊漁と航海の安全を祈る
言うなれば、まさに海の初詣です
港で神事を済ませたのち
船首には国旗や船旗大漁旗、操舵室にはお飾りの松としめ縄を
お正月飾りを設えた船で
港周辺七か所(?)に祀られた神々のもとに詣で
祈りを捧げるのだそう
西ノ島では、その年の豊漁と安全を祈願する行事を、1月4日に。
松直しではなく「出初め式」と紹介されていました
▼▼▼
浦郷水産Instagram
「松直し」と呼ぶのは島後だけなのかも?
息子達が松江で暮らすようになってから
お正月は隠岐で過ごすようになった我が家…
隠岐ならではのお正月風景として
いつか見てみたい!と思っていた「松直し」。
いつ行われるのか
どこへ行けば見れるのか
詳しい情報はネットではなかなか見つからない…
去年はいいお天気で絶好の松直し日和!と思っていたのに
時間を読み違え、もうすでに終わってしまってたという悲劇
( ;∀;)
なんだかんだと毎年見逃していたのですが
ついに、このお正月、感動のシーンに出会うことができました
!(^^)!
雪の松直し
1月2日の朝…
9時頃から神事が始まりそれから出港…と伺ったので
朝の散歩を済ませてから、いざ西郷港へ。
~事代丸さんの松直し~
どこから見るのがいいのやら…
迷い迷いたどり着いたメガフロートで
ゆらぎのマスターまかべ君が
「今からですよ!」と声をかけてくれるという幸運!
晴天だった昨年の1月2日とは打って変わって
この日は厳しい寒さと降りしきる雪…

船が港を出ていく頃がちょうど雪のピークだったのかも…

一隻、また一隻、と
愛宕山のすそ野あたりから間口を抜けていく漁船の影は
あたり一面降りしきる雪の向こうに霞んで見えなくなってゆきました

間口を出てゆく船の影(らしきもの)を見送って
しばし私たちは港で待機…
陸の上で見ている私たちですら
指はかじかみ凍てつくようだったのに
吹きすさぶ風をきって進む船上の厳しさを思うと…
( ;∀;)

西郷湾の間口の左右にはちいさな山が2つあります
西郷岬灯台がある右手には、愛宕山
東郷湾に向かう左手には、金峯山
間口を出た船はまず愛宕山のすそ野沿いから
左回りコースでお詣りに…
ここから先の動きは
陸からはもちろん見えません
岸壁に点在するようにしてある祠やポイント七か所をまわり
お神酒とお節をお供えしながら
1年の豊漁と航海の安全をお祈りされると伺いました
・・・
しばらくすると
赤灯台の向こう側に集魚灯を灯した船の姿が見え始め
次々と港に戻ってきました

ぐるりと大回りで湾内に入り込んだ漁船は
金峯山のあたりに次々と集合
ここが最後のお詣りのポイントだったようです

その後
メガフロートで見守るご家族や見物人の前を横切って
晴れやかに、我が基地へと帰っていかれました


張りつめた冷たい空気…
視界を覆う降りしきる雪…
鈍色の海面には一面の毛嵐…
そんな白の世界を切り裂くようにして
キパッと色鮮やかな大漁旗をはためかせ
生業と祈りを乗せて進む漁船は
なんとも勇壮!
なんとも厳か!
雪景色の美しさとあいまって
思わず息を呑むほどの迫力がありました
この天候をものともせず厳かに進む漁師さんたちの祈りの儀…
命を賭して海に出る、そんなみなさんの営みあればこそ
この島の暮らしは潤うのだなあと、改めて。
どうかこの1年も
安全な航海となりますように。
漁に恵まれ笑顔あふれる港となりますように。

風や船の勢いでこの松がずれるのを直しながら進むので
「松直し」と呼ばれるのだそう

寒そうに身を縮めながらも手を振る、若干19歳‼
(私たちに向けて手を振っていたわけではなかったけどね)
なんだか胸の奥がじわりとした
そんな一瞬。
おまけphoto
喫茶ゆらぎのマスター、マカベくんが
岸壁に張り付くようにいた我々を
ちょっと後ろから撮ってくれていました

寒くて、冷たくて、でも、なにもかもが美しかった。

冬の日本海の厳しさの、これはきっと、ほんの一端…
この荒ぶる海を駆け巡り
隠岐の漁師さんは豊かな恵みを島へと運ぶのです
すごいお仕事だなあと思います。

