エクストリーム花見
下界の桜が満開を過ぎるころ
そろそろかな、そろそろだよね?と
中村の山の上が気になりだします
そんなタイミングで
元屋地区の山に咲く世間桜が見ごろを迎えるのです
…世間桜…
「世間桜」と書いて「よのなかさくら」
元屋の山にひっそりと咲く2本の桜
樹齢600年を超えるといわれる老木です
白い花が咲く男桜
薄紅色の花が咲く女桜
後醍醐天皇のお供として隠岐の島に来られた三光国師が
この2本の桜を植えられたと言われています
はるか昔 の江戸時代
この二本の桜の咲き具合で
その年の豊凶や世の中の良し悪しを占ったのだそう
そしてその咲き具合を江戸まではるばる伝えられたといわれています
以来数百年
今も隠岐の島に咲き続ける「世の中知らせ桜」です
満開を迎えればどの時間帯の世間桜も見事だけれど
一番のおすすめはのぼる朝日を受けて
輝くように咲く世間桜でしょうか
というわけで
今年もやっぱりエクストリーム世間桜
旧blog『隠岐の島のお茶屋さん』より 2019の世間桜
元屋の山のふもとの登山口から入っていくと
世間桜を植えられた三光国師さまがお勤めなさった建福寺の跡地にでます
そして
苔むしたお堂の横をぬけていくと
薄暗い山道へと続きます
油断すると攻めてくる竹藪に飲み込まれそうな山道ですが
世間桜が咲く頃になると
地域の方が毎年整備されるのだそう
竹はかられ
ロープも張られ
さっぱりと整備された細い山道
登ること10分ほどで
私のようなへっぽこ登山者でも
迷うことなく、へばることなく、
世間桜に会うことができるのです
山道の先がぽかっと開け
そこだけが薄桃色に輝くようにある桜を見つけた時の
あの感激たるや…
横に枝をせり出すようにして咲き誇る薄桃色の女桜と…
空へ、天へ、
伸びていかんとするように立つ
白い花の男桜と…
この2本の桜が「世間桜」です
昔むかしの江戸時代
この2本の桜の咲き具合から
その年の豊凶吉兆を占ったという「世の中しらせ桜」
男桜も女桜も
今年の世間桜は見事に満開
世界レベルで暗い話題がうずまくようにある今だけど
ここに立ってこの桜を眺めていると
なんだかいいことありそうな気持ちになった
いいことあるね
いいことあるよ
そう思える桜でした
泣きたくなるくらい
いい桜でした