隠岐養護学校の卒業式

ブンテンの前は西郷小学校の通学路にあたります

朝は集団登校なのでちょっと静かに列をなして…

夕方は三々五々に…
その日イチニチの「学校の気配」を濃厚にふりまきながら
子ども達がブンテンの前を通っておうちに向かって帰っていきます

何人かで楽し気におしゃべりしながら帰る子あり
何か約束があるのでしょうか、ひとりで急ぎ足で帰る子あり
しょんぼりとした足取りが気にかかる子あり
用事なんてないのに「お~い!」とお店の奥に声をかけてくれる子あり
時には何も言わずに駆け込んで風のように走り抜けていく子もいたり

…もちろん「挨拶はーーっ!?」と叱られるの巻 笑…


そろそろその中に黄色いランドセルカバーをつけた
新一年生さんの姿も混ざりこむ頃ですね
( *´艸`)

入学後しばらくは先生方に付き添われての集団下校。
それがそろそろ自分たちで帰宅するようになるのです

遠くからでもすぐに「いちねんせい」さんだなと分かる
サイズ感と微妙なバランス
💗

あのかわいらしさに毎年胸キュンです

今年はどんないちねんせいさんに出会えるかな…♪


そういえば…

先日参列させていただいた五箇小学校の入学式で
校長先生が新一年生さんにお話されていました

ランドセルの中に
笑顔と元気を毎日必ず忘れずにいれてきてくださいねって。



自分の背中サイズよりはるかに大きなぴっかぴかのランドセル
そして
それを背負ったぴっかぴかの新一年生さん

まさに希望のかたまりです





令和4年度 隠岐養護学校 入学式


いつもチェックを欠かさない「隠岐養護学校魅力化推進室」のページに
隠岐養護学校の入学式の話題が取り上げられていました

今年の新入生は高等部に3名ほど。



3足の、まっしろな上靴の写真に重ねるようにして
隠岐養護学校さんの校訓「仲よく明るくたくましく」!!

2年前のコラボ企画「カフェKYOU」で
みんなが着たおそろいのポロシャツの背中には
この校訓がどどーんとあしらわれてありましたっけ


隠岐養護学校と地域のコラボカフェ
カフェKYOUの日
背中に校訓を背負っていざ!!
!(^^)!



「校訓の一番はじめに「仲よく」がくる学校はなかなかない」、と
隠岐養護学校さんの校長先生がHPで書かれています

隠岐養護学校さんのHPのトップに掲げられているワード
「共生社会実現に向かって」
そこに向けてみんなで進もうとういう意志を表しているようです」、とも…


隠岐にあって、この学校がどんな役割を果たしているのか
隠岐にとって、どんなに大切な場所であるか

HPの校長先生のごあいさつ文を読むと
いつもそのことをしみじみと思います



そして

そんな先生方の思いのもと
今年はどんな「おもしろい、の種がまかれる」のか
それがとっても楽しみです

…おもしろいの種…

今年度、学校づくりや授業づくりのキーワードを
「“おもしろい”の種をまく」としました
これは、子ども達の知的好奇心を刺激するような取組を
たくさんしていこう・・ということです
教職員だけでなく、児童生徒にも、保護者さんにも同じ話をしています
今後は、地域の方とも連携しながら
学校全体で「おもしろいの種」をまいていこうと思います

隠岐養護学校HP 校長先生のごあいさつより引用




・・・・・・・・


というわけで
…どんなわけ?…


この3月に出席させていただいた
隠岐養護学校さんの卒業式の日のblogを
今頃になってアップしておこうと思います


ほんとうにほんとうに温かい式でした


この学校がどんなに素敵な学びの場であるかをいろいろな方に知って頂く
そのお手伝いがちょっとだけでもできたらいいなーと思いつつ
ひと月遅れではありますが
超長文blogによろしければぜひお付き合いください…

令和3年度 隠岐養護学校卒業式



3月17日
隠岐養護学校の卒業式が挙行されました


今年この学び舎を巣立つのは高等部の4名


ずっとブンテンのblogをご覧になってくださっている方や
隠岐養護学校のSNSをチェックしておられる方はご存じと思います
昨年度のコラボカフェ、CafeKYOU
今年度西町通りのお店を巻き込んで開催した隠岐養護マルシェ
それらの仕掛人だったあの子たちです



奇跡の巡り合わせによって
なんと私も卒業式に参列させていただくことができました
…というか。無理やり手繰り寄せた感あり…


そしてここで改めまして予告をひとつ…

前もって謝っておきます
ごめんなさい


このブログは長いです
ほんとーーに長いです

すみません


・・・・・・・


式が始まる直前に
来賓控室で待つ我々のところに
校長先生がご挨拶にきてくださいました

コロナ禍の中であり、盛大なことはできないけれど
精いっぱい温かく送り出したいと思っている、と、
そうおっしゃったのですが
ほんとうにその言葉通り…
温かな思いと愛が溢れるかのような式典でした



一人ひとりのペースで進みゆく入場も

周りを見ながらゆっくりと、でもまっすぐと歩く姿
車いすを押したり押してもらったり
仲間といっしょに進む姿
背筋を伸ばして凛として、前をみて歩く姿
四人四様
みんながみんなステキだった



時に涙をこらえながら
一人ひとりのよさやがんばりを語られた校長先生のあたたかな祝詞も

4人それぞれの成長を
ほのぼのとしたエピソードと
先生の思いを交えて語られたことばがとっても素敵だった
先生が彼らをいかに温かな目で見守ってこられたのか
それがよく伝わってくる言葉でした
これにはもう完全にヤラれてしまった


4人がそれぞれにそれぞれのスタイルで語った旅立ちのことばも

入学前から知っているNちゃんが
一番最初に前に出て旅立ちのことばを語りました
そのことばにも、語る姿にも、
充実した時間だったことがよく伝わってきました
お話が難しいKくんは仲間にサポートしてもらいつつ
動画をつかって発表です
ここに立った瞬間一段と大人びて見えたのはRくんとKくん
誠実なふたりの、卒後への決意がなんとも頼もしかった…


社会人となった先輩が自らの経験を踏まえて語る「励ましのことば」も

毎年卒業生からの「励ましのことば」があるのだそうです
今年は2年前の卒業生さんが来てくれていました
一般就労を果たした彼女が
社会人としてがんばっていることや嬉しかったこと。
苦労したことや大変なこと、それをどうして乗り越えようとしているか。
この学校でチャレンジしたことが
自分自身の「苦手」を変えるきっかけになったということも。
具体的に語られたリアルなメッセージの数々は
彼らがこれから歩む道のりの中で

大きな道しるべの役割を果たすことでしょう

素敵な「はげまし」でした


一人ひとりにあった支援が当たり前にそこにあることも

ちょっと声を出したくなったって平気
ちょっと席をたちあがったって大丈夫
それでもそっと先生がその子にあった支援をすることで
自分の力で「今」に気づいて席につく…

障害が重いお子さんには、

影のように気配を消した先生が
そっと寄り添っていらっしゃいました

お返事が必要な場面では
先生が掌サイズの「ボタン」を差し出します
生徒がそれを押すことで、録音されたお返事が再生。
それがその子のお返事のスタイル
ゆっくりとその子がその子のペースでそれを押すまで
先生がじっと待たれるのも印象的でした





どの瞬間も、どのシーンにも、温かくて、愛があったなーと…

そのひとことに尽きるのです




卒業生さんの4人とは
『隠岐を元気もりもりプロジェクト』という授業の一環で
京見屋分店として
西町にお店を構えるひとつのお店として
2年にわたるおつきあいをさせて頂きました


リモート会議や電話での打ち合わせ
町歩きも一緒にしましたしね
…テンてんちょうも交えて…

授業だけでなく
おうちの人とお店にお買物にきてくれたこともありました
おやすみの日にひとりでふらりと訪れて
クリームソーダを飲んでいってくれたこともありました



おやすみの日に訪れてくれたことが嬉しくて
マルシェのこと
学校のこと
先生のこと
ついつい根ほり葉ほりあれこれ質問する私達に
クリームソーダを飲みながら
ひとつひとつ答えてくれました

なんだかほのぼのとしてとってもいい時間だったな~
( *´艸`)




そうした関りを重ねる中で
「授業の一環」という枠が、いつの間にか外れていった気がします


お店や町を舞台にして
いろんな方と繋がりあって
生徒も我々も先生も一緒になって
1つの目標に向かっていくこと…
このプロジェクトにはとにかくわくわくさせられっぱなしでした

この子達の取り組み方や感性から
「町が元気になる」ってどういうことかと改めて考えたりもしました
そして何より
彼らが私たちのお店やこの通りにやって来てくれること自体が
とっても嬉しいことでした

刺激も、力も、私達がいっぱいもらった…
そんなおつきあいでした



だから…

卒業式の間中
どのシーンにも、どの瞬間にも、
この子達のいろんな姿がリンクしてしまって
いろんな思いが押し寄せてきてしまって
ついでに涙もこみあげてしまって
結果、滂沱の涙
「来賓席で泣く怪しいヒト」になるという大失態
( ;∀;)




それはちょっとカッコ悪すぎて
思い返すと残念で倒れそうな気持ちになりますが
でも
あの場でみんなの卒業をお祝いできたことは
『京見屋分店』にとって
心からしあわせなことでした






謝恩会

卒業式の後
卒業生の4人が企画した謝恩会がブンテンで…

CafeKYOUで活躍した
アンノーンカフェの樹くんも参加♪


西町通りのお店とオススメを記した特大マップや
隠岐養護マルシェの日のポップも持参し
会場の雰囲気もばっちり

司会進行は幹事のKくんが務めました


社会に出たら求められる力だからね、と
先生方にプレッシャーをかけらてましたけど
そんなプレッシャー必要ないくらいの、見事な幹事ぶり!!

学校生活を振り返る動画も用意してくださっていました


個性も障害もそれぞれの4人ですが
仲良くあたたかい雰囲気のクラスだったんでしょう

動画の中は笑顔満載!!


膨大な写真からこれを厳選するのに
先生たちは苦労されたことでしょうね


ひとつの動画に子ども達の成長をまとめようと思えば
載せる写真選びはほんとに大変!!
どんな場面にも思い入れはあって
どれもこれも載せたくなりますもんね

選ぶために見返しているうちに
懐かしくてついつい時間を忘れて見入っちゃったりね


動画に映し出される懐かしいシーンに
生徒のみんなも先生も大盛り上がりでした

そして
4人それぞれが重ねた学びの時間がどれだけ豊かなものだったか
それが如実に伝わってくる動画でもありました

そこにある先生方のあたたかなまなざしと手だて
その上にある、みんなの「今」なんだなーと…






・・・・

最後に

先生から卒業生のみんなへ
卒業生から先生や我々へ
我々からも卒業生のみなさんへ

それぞれがひとことずつメッセージを送りあいました


涙あり
笑いあり
プレッシャーあり
「最後の宿題」あり

もう…そこには『愛』しかなかった
( ;∀;)


結果、またも胸がつまる




隠岐養護学校に進学すると決まった時
ちょっと複雑な気持ちだったと語った子がいました
でも、今は隠岐養護にきて本当によかったと思っている、と
ピカピカのいい笑顔で…涙

「隠岐養護学校」で培った力と我の成長が
自分自身の中に実感としてちゃんとある。
だからこその言葉なのでしょう


そう思いながら学び舎を巣立てるって
最高にしあわせなこと。

子ども達にとっても…
送り出す先生にとっても…
保護者さんにとっても、もちろん…




印象深い謝恩会のしめくくりのヒトトキでした

なんていい写真。
なんていい顔。
卒業生さんも。
先生も。我々も。




改めまして…

4人の卒業生のみなさん
ご卒業
ほんとうにおめでとうございます


4月からはいよいよ社会人!!

みなさんそれぞれの活躍を
心の応援旗をぶんぶん振りながら
西町のみんなで応援しています

また会いましょう!!







長い長いブログになりました
(;’∀’)
もしかして今までで最長の記事になっちゃったかも…

ここまで読んでくださってありがとうございました



…写真掲載については許可を頂いております…


おまけフォト


隠岐養護マルシェの日
カフェ担当のRくんが書いてくれた
クリームソーダのPOP

お気に入りだったのでおねだりして頂いちゃいました
特別な営業日にはこれを使おうと思う

謝恩会解散間際に
これを…と差し出してくれたKくん

自分で作った器なのだそう

乳白色の器の側面に
繊細な線描で描かれているのはしなやかな若葉



仲間に向けるKくんのやさしいまなざしが重なりました

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