隠岐の歴史から学ぶ「隠岐びとのこころ」

島根県同和教育推進協議会連合会研究集会に参加してきました

…島根県同和教育推進協議会連合会研究集会…
昭和60年に結成以来
全県での人権意識の高揚と同和教育の推進を目指し
毎年県内各地で様々な形での研究集会が開催されています






今回の研究集会は
コロナ感染者に対する誹謗中傷や差別を無くそうと
自発的に実践された隠岐の事例の発表が2つ。
それから隠岐の歴史から学ぶという副題をつけられた講演『隠岐びとのこころ』でした

加茂地区の区長をされている野津保さん
毎月発行されている区のおたより「そいでこそ」についての
実践事例の発表でした

かつてどの集落にもあった共同体「結(ゆい)」のように
ゆるやかだけれどいざという時にはみんなで支え合える
そんな地域住民のつながりをつくりたい。と、
毎月発行しておられる「そいでこそ」

島後での感染発表の際には
『海士の事例に学び当事者を思いやる心を持ちましょう』と
「そいでこそ」の臨時号を作成され
その日のうちに全戸に手配りされたのだそう…

当blogでもちらりとご紹介しました…


区長さんとしての姿勢ももちろんだけれど
加茂で生まれ、この区と、この区の人たちを愛している
そんな野津さんのあたたかな思いが印象に残る実践事例でした
海士町人権・同和教育推進協議会「ゆるじわプロジェクト」の事例発表では
隠岐諸島で一番最初にコロナ感染が出た際
町民有志が自発的にちらしを作成配布したという事例もふくめ
「ゆるじわプロジェクト」の取り組みを発表されました

コロナに関しての人権問題ももちろんだけれど
「そもそも」大事にすべきことがある。
大事なことを大事と気付けるその感覚をどう醸成していくのか…
それを考えさせられた事例発表でした

多くの移住者を受け入れつつ町づくりをすすめてきた海士の人達が
その歴史の中で、折々に、様々な場面で、様々な形で、
人権問題について真剣に向き合い取り組んでこれらたことが
今、ゆっくりと、じわじわと浸透してきているのでしょう
常角敏先生の講演は
これまでにも何度か聞かせていただいたことがあります

教員になりたての頃
母親になって間もなくの頃
そして
一地域人としての今

おなじ私という人間が同様のテーマ常角先生の話を聞くわけだけれど
何度聞いてもやっぱりその都度
その時を生きている自分の心に刺さるものがあります




今回の発表・演者さん達はもれなく隠岐在住。
それぞれの分野でご活躍の方たちです

ブンテンにとっては
実はいろんなつながりがある方々ばかりで
演台に向かって思わず「お~~い」と手を振りたい気分に



立場や視点はそれぞれですが
3つのお話すべての根底には
先人たちが海の向こうからくる人達(流人を含め)を
温かく受け入れ共にくらしてきた姿勢と
そこで培われてきた風土への誇り
そしてこの島(地域)に対する強く温かい思いがありました




・・・・・

人権・同和教育に関する研修会などについては
「前に出たことあるけんな今回はパス」と
そんなご意見に出会うこともあります


確かに、大切なことはいつの世であっても変わることはなく普遍的です

でも
こうした研修会に参加すると
その時代、その時を生きる自分の心にリアルに刺さるものが必ずあります


時を重ねながら生きていく我々は
その中でもちろんアップデイトもしているけれど
その逆もあるんだなーと、こうした機会にハッとすることも…






この島に脈々と受け継がれ築かれてきた温かな風土に
今一度目を向けつつ…

そして
この先の隠岐を生きる次の世代の「隠岐びと」のために
それを引き継ぐという役割を果たせるような生き方が
私もできたらいいと思いました



・・・・・・・

島外から講師を呼ばなくても
こんな講演会・研修会が開催できるというのもすごいこと…

自治会や各団体などで要請すれば
今回の常角先生の講演は実施していただけるようです
…事例については島後のもののみ。要相談だそう…


コロナ感染者に関する差別や誹謗中傷などについて
タイムリーな話題も盛り込まれ
いろいろと考えさせられる内容です

ご希望があればぜひ…



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