味太郎とMY檸檬

定休日の朝は、爆風で目覚めました

駐車場の看板も
大きな檸檬の鉢植えも
すっとばされてしまっていた…
そのくらいの爆風です

その風のせいで2個の我が家の檸檬が落果…
そろそろ収穫しようと思っていた時期だったから
まあ、セーフということで
(;・∀・)



お散歩で出かけた愛宕山も
海から吹き上げる風で時折体を持っていかれそうなほど…

海面は白波がたち
飛ぶ潮で海のあたりはなんだか霞んで見えました

時折押し寄せる大きな波は
眼下の小島や防波堤を飲み込む勢いで
マッシロな波しぶきをざっぱ~~~んと…

暑くて長かった夏が終わり
心地よい秋はあっという間に過ぎちゃって
いよいよ「フユ」がやってきたなあと
そんな気持ちでしばし眺めた蛸木の港の風景でした

・・・・・

さて
この日のお昼は店長さんといっしょに「味太郎」さんへ出かけました

ここ最近の島での話題の中心といってもいいくらい
あっちこっちで話題にあがるのは「味太郎」さん閉店の知らせ…


お店の前のウィンドウに
小さく貼られた閉店の知らせ。
ちいさなちいさな張り紙ですが
そこか受ける衝撃は、なんとも大きい…

大将も年齢を重ねられ
そのうちにはね、と、そんな話を聞いてはいたけれど
まだまだ先のような気がしていました


こんなに急に「その時」がやってくるなんて思いもよらず
これはなんとしても食べに行かねばと思っていたところだったので


味太郎さんといえば
いつもお昼時はあっという間に満席になるイメージ…

島の人のランチとしてはもちろんだけど
11:20西郷港着のフェリーから降りたお客さんの中には
とにかくその足で味太郎へ!!という方も多いのです


Tぞうさんとか、Tるさんとか、Tごんさんとか
ウルトラ常連さんたちに多い、隠岐常連さんたちは
まちがいなく、味太郎常連さんでもある

ですが
この日は全便欠航!!
ブンテンも定休日!!

おやすみだから時間を気にすることなくランチに行けて
フェリーから降りてくる大勢の「ライバル」もいない…

こんなチャンスはめったにない!!



・・・・・

というわけで

開店とほぼ同時のタイミングで出かけましたが
もう店内はいっぱい!!

ちょこっと待って、なんとか入店することができました

おなじみの味太郎印の暖簾
66年の間、数えきれない方がここを潜ったのでしょうね


迷うことなく、私はチャンポンに決定
焼きそばはの店長さんも迷いつつ、やっぱりチャンポンに…

多くの方が、島のソウルフードと語る、味太郎のチャンポン。
いろんな記憶がこのやさしい味に繋がっている。

でも…
どうしても「やきめし」も食べたかったので
2人で半分こ、ということでこれもオーダーすることに…

つやつやに油がまわった味太郎さんの「やきめし」
合間に除く、「赤いた」の桃色が郷愁を誘います
~「赤いた」は大社の焼きめしの具材の常連~

チャーハン、というよりも

これはやっぱり「やきめし」と呼ぶのがしっくりきます

店長さんは最後にウスターソースをかけて味変を楽しむ派
私はシンプルに、この絶妙な塩味を楽しむ派


お昼から食べすぎ感は否めませんが
いや、どうしてもガッツリ塩の効いたやきめしが食べたかったのです!!

かくして
チャンポンと焼きめしの黄金セットが並びました

念のためにしたためておきますが
チャンポンもやきめしも
私一人で食べたんじゃありませんよ
やきめしは半分こですよ
念のために…

これこれ。これが食べたかった…とワクワクすると同時に
これがもう味わえなくなるのだなーと思うと
なんともいえない寂しさが…

お隣の席になったご近所さんと
それぞれの中にある「味太郎」の思い出なんかを語りあっていた店長さん

そうなんですよね
このおいしさはもちろんだけど
馴染みのお店には
ここで過ごした様々な思い出ややさしい記憶が紐づいている…

家族と漫画をめくりながら料理を待つ、楽しい思い出。
…昔の「サザエさん」の漫画本が置いてありましたよね…
仲間とわいわい訪れてチャンポンを食べたこと。
まだ一人暮らしだったころ
本土から島に帰ってきた日の午後
ちょっとの寂しさを抱えつつ
ひとりでここに座って食べたこともあったなぁ…

私たちひとりひとり、それぞれの、そんな記憶の数々…


66年の長きにわたって
ここ、西郷の町の玄関口で
お店と味をまもり
暖簾をあげてこられた味太郎さんだからこそ
島のみなさんも
島を離れたみなさんも
いろんな思い出が重なることでしょう


優しい記憶に結びつく一杯のチャンポンの味わい
お店一杯にただよう豚骨スープのいい香り
厨房から届くのはお店の勢いと忙しさを伝える様々な音
歴史を感じるお店の佇まいに
ちょっと振り向けば
厨房の中で寡黙に俯きつつ鍋を振る大将の姿


そんなことひとつひとつが、いちいち胸アツ…

それを胸に刻むようにして
味わいながら我が「黄金セット」をいただきました



お店の風情も、暖簾がそよぐ町の一角のこの気配も
「西郷の界隈」にずっとずっとあって欲しい景色のひとつでした


寂しい気持ちと…
長い間ありがとうございました、という思いと…

おなかもいっぱい。
胸もいっぱい。
そんな味太郎さんでのランチタイムでした

おまけphoto

今朝の爆風を耐え抜いた檸檬も
これを機に収穫してしまうことにしました

剪定も、虫対策も、肥料ですら
今年はとにかく放置しっぱなしだったMY檸檬だというのに
今までで一番の収穫でした

アゲハの幼虫にもあまり目を配りませんでしたが
葉っぱの食害はほとんど無し。

この暑さで、アゲハも卵を産まなかったのかな???
そうそう、台風があまり発生しなかったことも幸いだったに違いない。

施肥は液肥と化成肥料を少しだけ。
だから、ほんとにちびっ子れもん…
(;・∀・)

ただし
切ってみたら
驚くほどにみずみずしくいい香りがするのです

というわけで

念願の、MY檸檬サワー!!

半分は果汁を絞ってサワーに投入。
あとの半分は輪切りにして入れちゃいます。

なんてことのないサワーなんですけどね
やっぱり『私の檸檬』ってとこがミソ♪

ちいさな贅沢、ちいさな幸せ
言うなれば、そんなところです




そうそう
Nちゃんに頂いた隠岐産シークワーサーがあったので
これも半分に切ってまるっとサワーに♪

爽やかな柑橘の香りは
やっぱり気分がすっきりしますね

私は普段は断然麦酒党ですが
自家製・隠岐産の果実でサワーを楽しむ、という
新たな楽しみをみつけてしまった

…呑みすぎ注意報発令中…



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